手書きの気持ちよさ
書道家、武田双雲さんの「書く力~ポジティブに生きるヒント~」より。大変参考になることが2点ありました。
①手書きの気持ちよさについては、脳科学でも実証されている。脳の活動状況を調べる実験をすると、メールを書いているときは、脳の一点しか活動していない。ところが、同じ文章を手書きにすると、ポツポツと脳画像のあちこちが赤く反応する。同じ文章を今度は筆で書いてみると、脳全体が真っ赤に反応する。つまり、手書きか否かで、脳の働きに雲泥の差が生まれる。
②書道教室には、子供たちが「お手本を見ない」という悩みがあります。僕はそこでつい「お手本を見なさい」と言ってしまう。これが良くないのです。僕には「あなたにお手本を見て欲しい」という願望がある。だから「お手本を見なさい」と指導する。どこにもおかしいところがないようにも見えます。でもこれは、「あなたはお手本を見ない人ですね」と、子供たちにレッテル貼りをしているのと同じこと。僕が「お手本を見なさい」と繰り返すほどに、子供たちは「自分はお手本を見ない人間だ」と刷り込まれていきます。そこで、僕は、「君はお手本をよく見るよね」「最近、よく見るようになったよな」と言ったのです。ウソはついていません。子供におべっかを使っているわけでもなく、本当のことだけを言っています。それまで子供たちも、まったくお手本を見ていなかったわけではありません。熱心ではないにしても、僕に言われて何回かは確実に見ています。数秒しか見ない子も「見た」という事実には違いない。僕はその、ほんのわずかな「お手本を見ている」時間にフォーカスした。すると、子供たちは「そう?」とその気になって、ちゃんとお手本を見るようになりました。「お手本を見る人」というレッテルを貼ったからです。これが肯定の効果です。
心がけたい言葉。
『最近、頑張ってるよね!!』