啓明館 - 神奈川県・横浜市の中学受験専科塾

啓明館事業部長 渋田先生日記

2020年9月8日

ざっと

ほっとする日本語。

「ざっと」

 

 

作家、曽野綾子さんの「アバノの再会」より。

 

<欅が二人を裏切ったとすれば、それは落ち葉の量の多さだった。秋になると、小萩の仕事は落ち葉を集めることに費やされたが、庭の傾斜においた小さな石組みがその作業を更に困難なものにした。

「まったいらなところなら、仕事も簡単なのにね」

友衛は手伝いをしない自分を弁解するように言った。

「そんなことないわよ。完全に取ろうとすれば大変だけど、葉が落ち尽くすまでは、いつもざっと掃いているだけだから」

「ざっとね」

「ざっとがいいのよ、生きるのに楽なの」

庭に出るたびに、よくこの妻の言葉を思い出す>

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